森下劇場
昨夜は、日本シリーズ第5戦。甲子園球場の今季最終戦でした。
阪神先発大竹は、5回をソロホームラン1本にしのぐ力投。一方打線は、オリックス先発田嶋の前に6回までヒット4本と沈黙。観客は次の1点の行方を占っていました。
次の1点を奪ったのはオリックス。7回西純が、一度もバットを振らない田嶋に痛恨の四球。リリーフした島本が、二死から打ち取った森のセカンドゴロを中野がまさかの後逸、カバーの森下が処理を焦りファンブルし、悪夢のダブルエラーで追加点を与えてしまいました。
ライトスタンドからの叱責を受ける背番号1は、いつもより少し小さく見えました。
しかし、この大卒ルーキーは、ただでは終わりません。
8回の攻撃、近本のタイムリーで1点を返し、なお先輩が繋いだ走者を二人おき、彼に打順が回ります。それまでの3打席は、二ゴロ、遊ゴロ併殺打、二飛と音無しです。
山﨑颯をリリーフした宇田川に追い込まれた後、フォークを2球ファールで粘り、7球目152キロ低めのストレートをコンパクトなスイングで捉えた打球は、糸を引くようなライナーで左中間を破る逆転の三塁打となりました。
シーズン終盤、思うような打撃ができず、ベンチで悔し涙を流した姿は、もうそこにはありませんでした。
「二塁ベースを蹴る背番号1は、いつもより少し大きく見えたよ」